年に一度の七夕だった。22回目の七夕だった。夜の曇り空を釈然としないまま眺めていた。なんだっけ。願いごとなんだっけ。願いごとが思いつかなかった僕の顔もまた曇っていた。ひょうしに溜め息をついたら空にある雲が彼方に飛んでいった。いつのまにか日付けは変わって、寝ぼけている僕がいた。