■手書きの手紙
 パソコンキーボードの上に手紙が広げてあるではないか! これはそうだ、夏にぴったりしっくりな冒険ができる宝のありかを書いた手紙に違いない。すでに目に飛び込んでいた文字はよくよく見ると丸っこい。どこぞやの女王様が隠した宝なのだろうか。これから始まる冒険に胸が高揚する。よし、まずはパーティーを組んで――
 ぼくの心の平穏が乱されたのをなんとか誤魔化したかった。兄弟君が好きな人から貰った手紙の内容は、何をとってもとても生々しいので、何がどう、もう何も、こんなのを見せつけるのはどんな心の持ち主なのだろうと疑問符が、エクスクラメーションマークが頭の上で飛び交った。わかんない、もう。

夏の高校野球
 愛知大会の決勝はナゴヤドームで戦うなんて。空調の効いたドーム内なんて。似つかわしくないよ。高校野球ならば真夏の炎天下で汗だくの、連戦連投で肩を破壊の、? なにこの体に悪い行事は。いまでも松坂のPL戦がはっきりと思い出せる。前日に完投しているのにも関わらず250球以上投げて、試合後、疲労困ぱいの顔でのインタビュー「明日はもう投げられません」、と、結局いろいろあって次の日もリリーフで登板。果ては決勝でノーヒットノーラン。どんなスーパースターですか。松坂ファンだからこれくらい言わせて。野球みないけども。