■読書 白石一文「すぐそばの彼方」すぐそばの彼方 (角川文庫)
光と影。表と裏。すぐそばと彼方。背反する言葉を並べる、これほど解り易いタイトルもない。この人の著書は三冊目で、いずれの主人公も自我がとても強い印象を受けた。それが小説にありきでも、主人公の他人を見て取る能力のなさに疎ましささえ覚える。これぞ小説。
といいつつ、まだ20ページしか読んでいないのは、文庫にしてよかったと頷きっぱなしのせいなのか。ハードカバーだと重さで腕がつる。